CASE.3
ジブリの世界観「猿島」で無人島体験
東京湾にはポツンと浮かぶ無人島の「猿島」があります。 島の中はどことなくファンタジックな雰囲気で、日常とは異なる不思議な世界にすっと心が引き込まれていきます。
猿島とは
海水浴やバーベキューに釣り、アウトドアを手ぶらで楽しめる猿島には、年間15万人もの観光客が訪れるらしく、「手ぶらバーベキュー」なるプランが人気だそう。「無人島でバーベキュー」というワクワクする響きにつられ学生の頃利用したときは、パラソルなどの貸し出しがなくて、真夏に手ぶらで挑戦した僕たちには暑すぎて涼を取る手段が海に入るしかなかった覚えがあります。笑 それも含めとても楽しかったですが。笑 今でこそ人気のレジャーアイランドとして親しまれていますが、猿島はもともと旧陸軍・海軍の要塞として使用されてきた歴史を持つ島です。かつての猿島は江戸幕府によって兵舎や砲台が置かれ、要塞の島として黒船から東京湾を守る役割を担っていました。当時は一般人が立ち入る場所ではなかったことから、ビーチからすぐのところにある要塞エリアは当時のまま残されており、今では国史跡の文化財です。
無人島・猿島とは?-TRYANGLE WEB
https://www.tryangle-web.com/sarushima/about.html
無人島で楽しむアウトドアレジャーや史跡めぐり
猿島へ車で行く場合、三笠桟橋の周辺駐車場に車を停めて専用のフェリーを利用します。三笠桟橋から猿島まではフェリーで約10分程度。猿島桟橋に到着すると、ビーチや売店など、人で賑わうレジャースポットがまず目に入ります。島の周辺はすべて浅瀬で、島全体がフィッシングポイントなのです。ただ、レジャーもいいですが僕が思う猿島の魅力はやはり史跡です。島の南側から北の方へと向かう際に通る「要塞の切通し」は、高い壁が山を切り開くように続いている道で、空からの発見を避けるために軍隊が使用していたもの。大学生の頃に何度か行きましたが、秘密基地のような雰囲気が冒険心をくすぐります。道沿いには兵舎や弾薬庫などがそのまま残されているなど、長い道のりすべてが歴史の産物です。中でも注目したいのは「フランス積み」という方式で積み上げられたレンガ造りで、ウンチクですが、明治初期まではよくあった工法らしいですが、明治20年以降はイギリス式のレンガ積みが主流になりフランス式は徐々に姿を消し、日本でフランス積みの建築物が見られる場所は猿島を含めて数カ所しかない、というレアスポットです。
トンネルの先に広がるジブリのような世界
要塞の切り通しを進んだ先にある「愛のトンネル」を抜けると、有名なラピュタスポットに到着です。深い森のような場所で、建物には木々のつたがしっかりと絡みつき、なんともファンタジックな雰囲気。自然と共に静かに時を刻んできたその場所は、人の力だけでは作り出すことができない独特の世界観をかもし出しています。さらに海の方向へと進むと、房総半島や横浜方面を一望できる「オイモノ鼻」に到着します。そこから展望台広場を経由しつつ猿島桟橋へ戻っていけば、島内を1周できます。猿島には泊まれる場所がなく帰り便の最終が17時頃なので、帰り時間には要注意です。無人島一周、という冒険にはしゃいでいたところフェリーに乗り遅れかけ、船員さんに絞られたのも今となってはいい思い出です。